当院のコンセプト

当院のコンセプト

医療サービスとしての矯正治療

矯正治療後に歯並びはキレイになったけど、“顎関節がガクガクする”、“どこで噛んで良いのかわからない”といった症状を訴える方がいらっしゃいます。このような症状は顎関節の位置と上下の歯並びが合っていないことが原因となっている可能性があります。

顎関節の調節機能

「はい、噛んでください」と言われたら、ほとんどの人は奥歯で噛みしめることができると思います。どのような歯ならびをしていても、それなりに最大に噛めるように顎関節の位置を調整するアプリが脳の中に入っています。

もし何も治療行為を行わないのであれば、それは上下の歯が最大に噛み合うようにする人体の調節機構ですからそれで何の問題もありません。しかし、もし歯ならびをなおすという人工的なことを、顎関節がそもそも本来の位置からズレていることを知らずに行うと、新しい噛み合わせを維持するために顎関節に新たな調節を強要する可能性がありますので、場合によっては将来顎関節を含めた周りの組織に不調をもたらし、せっかく治した歯ならびも安定しない可能性が出てきます。

顎関節の状態を考慮した矯正治療

当院では矯正治療をはじめる前に、精密検査で「歯ならび」と「顎関節」のズレの程度を確認します。もしズレが大きければ先に顎関節安定化装置で顎関節の位置を補正し、その正しい顎関節の位置に歯ならびを合わせるという治療を行います。

医療サービスとしての矯正治療

矯正治療が終了した時に「顎関節」が正しい位置にあり、「顎関節」と上下の「歯ならび」が協調していたら治した歯ならびは長期にわたり安定する可能性が高くなります。
これが達成できれば矯正治療は歯ならびを真っ直ぐにするだけでなく、噛む機能を考慮した医療サービスになります。
当院は「医療サービス」が提供できるように全力を尽くしております。

顎関節のレントゲン写真

基本的な治療の方針

以下はあくまでも当院の基本的な治療の方針ということでご理解をお願いいたします。疑問をお持ちの場合はお問い合わせください。より詳しくご説明いたします。また、ご納得いただけないところがありましたらぜひ他院を受診してセカンド・オピニオンをお求めください。

1

噛み合わせを無視した矯正治療は行いません。

「歯ならび」の治療と「噛み合わせ」の治療は別物です。「歯ならび」を治したら「噛み合わせ」が自然に治ることはありません。「噛み合わせ」の基本となるのは「顎関節」です。当院では「歯ならび」と「顎関節」を調和させた矯正治療を目指しております。歯をならべるだけで「噛み合わせ」を無視した行為は患者さんのご希望が無い限り行いません。

2

小学校低学年からの矯正治療は積極的には行いません。

当院では小学校低学年からの治療は患者さんご本人(両親ではありません)のご希望がない限り、「特別な理由」を除いて積極的には行いません。その理由は12歳臼歯(6歳臼歯より一つ奥の歯)がそろう中学生にならないと「歯ならび」と「顎関節」の関係が分からないことがあるからです(乳歯が混じっていても検査はできますが、乳歯が生え替わるたびに「歯ならび」と「顎関節」の関係も変わります)。

同様に小学校低学年からの非抜歯を目的とした歯列の拡大も行いません。
歯列を拡大すると奥歯の噛み合わせが変わります。奥歯の噛み合わせが変わると顎関節をそれまでとは違うずらし方で噛み合わせを維持する必要が出てくる可能性があるからです(顎関節の調節機構を狂わせる可能性があります)。小学校低学年からの治療が最終的な結果に有効であるという科学的な証拠が今後出てきたら考えを改めます。

3

下顎は成長の促進や抑制はできません。

下顎は成長の促進や抑制はできません。一方、上顎は少しだけ成長を促進させることや少しだけ抑制することは可能ですが、過大な期待はできません。骨格的な問題を伴った不正咬合は矯正治療単独では治せませんので、上顎前突、下顎前突や顎の左右的なゆがみ等がある場合は初めから手術の適応である可能性があります。また、そもそも骨格的な問題かどうかは「歯ならび」と「顎関節」の関係を検査しないと分からないことがあります。これも当院では幼少期からの治療を積極的には行わない理由です。

4

矯正治療に手遅れはありません。

矯正治療は患者さんご本人が必要性を感じたときが治療の至適時期です。幼少期から積極的な治療を行っても、本当に治したかどうかは永久歯がそろってから「歯ならび」と「顎関節」の関係を検査しないと分かりません。

   詳しくは治療症例をご覧ください。
5

矯正治療に絶対適応はありません。

矯正治療は絶対にしなければいけないものではありません。
治療を受けるか、受けないかは患者さんご本人の問題です。治療方針に同意できない場合は治療を受けずに現状維持にしておくというのも大事な選択肢の一つです。また、手術適応と診断されたとしても患者さんやご家族が受け入れられないのであれば手術を受ける必要はありません。

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