保険適用矯正

矯正と顎骨の手術の併用(保険適用矯正)

不正咬合に重度の上顎前突、下顎前突や顔面非対称を伴っている場合は矯正単独では治療できないことがあります。その場合は矯正で「歯ならび」を整えてから顎骨の手術を行って「噛み合わせ」を治します。矯正治療に顎の手術が必要と診断されると、手術前後の矯正治療費と手術費は保険適用になります。
院長は現役の口腔外科医でもありまして、現在でも毎年約30人の当院の患者さんの手術に参加しています。手術では「歯ならび」と「噛み合わせ(顎関節)」をいかに合わせるかが勝負になりますので、必ず私自身が手術中に噛み合わせの確認を行います。
今まで通算一千件程の手術に携わってまいりました。手術の方法や手術後の経過等につきまして詳細なご説明を差し上げることができますので疑問点はお問合せください。

顎骨の手術
顎骨の手術

矯正治療に手術と聞くと驚かれると思いますが、実は顎関節を中心に厳密に診断を行うと矯正治療を希望して来院される患者さんの相当数が手術の適応となり得ます。ただし、手術は全身麻酔で行われ、7〜10日の入院が必要です。患者さん側が受け入れることができないのであれば手術は行いません。矯正治療はあくまでも患者さんのご希望で行うもので、治療方針が意に沿わないのであれば手術を避ける、あるいは何も治療をしない(現状維持)というのも大事な選択肢になります。また、当院で提示する治療方針に疑問をお持ちであればセカンド・オピニオンを求めて他院を受診されることをお奨めします。

治療の手順

骨格性下顎前突

治療の手順 骨格性下顎前突

このままでは手術はできませんので(現在の歯ならびで上下の歯が最大に噛み合うようになっているため)、矯正装置で手術後の噛み合わせを想定して歯ならびを整えておきます。
この手術前の準備に1年〜1年半かかります。

治療の手順 骨格性下顎前突

この患者さんでは上顎が後退して下顎が前突していましたので、上顎を前方に移動し、下顎を後退させました。上下顎とも歯ならびと離れたところで骨を切ることができる部分がありますので、それを駆使して骨の移動を行います。
下顎の手術では歯ならびがある部分と顎関節がある部分を分けて、歯ならびの部分を移動させた後に顎関節部分と金属板で固定するのですが、手術前に顎関節安定化装置で顎関節の位置をしっかりさせておくと手術の時に金属板の位置が決めやすくなります。

治療の手順 骨格性下顎前突 治療の手順 骨格性下顎前突

治療後です。上下顎に金属板が入っています。

骨格性上顎前突(下顎後退)

治療の手順 骨格性上顎前突(下顎後退)

下顎が出ているのは誰にでも分かりますが、下顎が引っ込んでいるのはあまり目立たないため一般的には見逃されやすいです。しかし、顎関節の位置を中心に厳密に診断すると日本人の上顎前突のほとんどは下顎の骨格的な後退によるものであり、かなりの数の患者さんが手術の適用となり得ます。

治療の手順 骨格性上顎前突(下顎後退)

手術前に歯ならびを整えておきます。

治療の手順 骨格性上顎前突(下顎後退)

治療後です。下顎に金属板が入っています。金属板は手術後6ヶ月経過したら撤去が可能です。

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